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英語のこと (Oct. 8, 2001)

私のここでの暮らしの最大の障害! が英語。自慢じゃないがて私は英語がろくに話せない(ほんとに自慢にならない...)。ここに来る前にアメリカ生活について記載されているさまざまなWebサイトを調べたが、残念なことにその殆どは「既に英語ができるようになっている方」が書かれたものであった。彼らも渡航直後は英語があまり話せなかったのかもしれないが、既に話せる状態でのことしかかかれていないため、その点で私には真似のできないものだった
甘えてないで勉強しろと言われればその通りなのだが、日本で英語を習得するのは本当に難しいと思う。私も時々は英語を使う必要性のある職種(コンピュータ業界)にいるが、基本的に読むことができれば大部分は事足りてしまう。加えてたまに書くことがあるくらい。自発的にがんばって勉強しないと習得はできない。しかし、多忙な仕事の合間を縫って英語に割ける時間などもともとわずかなのに、「できない->嫌い」の悪循環。

そう、私はもともと英語はそんなに好きではない。特に、英語の勉強は積極的に嫌いである。私が渡航までに英語について何をしたかというと、以下の通り。

英会話教室は宿題もなくただ行って話すというもの。TOEICは社内受験。事前学習など皆無どころか、当日二日酔いだった(苦笑)。
TOEICについては、「○○点は最低必要」「○○点あっても会話はできない」など、いろいろなことが言われている(サーチエンジンでTOEICを検索してみると分かる)。偉そうなことはいえないが、私の素直な感想としては、少なくとも私の点数(700点台中盤)では、会話能力とは「全く」リンクしないと思う。

では渡航した今、どうなっているかというと...。

とまぁこんな感じ。加えて、残念ながら私のVisiting Scholarという立場は、日常的に人と会話しまくると言うものではない。下手をすると1日誰とも会話せず終わってしまうこともありうる。そのため、会話力向上のためには自分でなにかしないといけない。

いまはとりあえず大学でESL(English as Second Language)のワークショップに出ているが、これは出ておいて損はないと思う。とにかく私の英語力で会話がまともにできる数少ない機会だというのもあるが、教えてもらうことがなんかすごく効果的...な気がする。たとえば、fluency(流暢さ)を鍛えるためのゲームがある。5〜6人で輪になって一人が与えられた単語の説明をする。残りの人は何の単語か当てる、という一種の連想ゲーム。もちろん単語の説明にその単語自身や直接関連のある単語を使ってはいけない。具体的には、たとえば"on the table"というテーマだと、

salt glass napkin
spoon bowl butter

という単語について説明する。このとき、英語の間違いとかはあまり気にせず、とにかく話しつづけるということが大事だそうだ。たとえば、

It's a kind of powder...and one of the seasonings...color is white...it is quite commonly used in cooking...sea contains it...

といった感じ。一人のときは、これを頭の中でやってみるわけだ。

あと、聞く能力だけだが、テレビを見るのは役に立つと思う。アメリカのテレビは必ずCC(クローズドキャプション)の機能がついていて、かなりの番組/コマーシャルが会話の内容をそのまま文字で表示してくれる。ニュースなどのようにリアルタイムのものはその場で打っているらしく、よく間違えてバックスペースで戻ったりしているが、それはご愛嬌。

さて、英語ができないと暮らせないのかというと、そんなことは全くない。事実、私は日常生活そのものにはそんなに不自由を感じていない。だいたい日常的によく使う言葉はある程度語彙が限られるので、それをうまく使いこなせるようになれば日常生活はできてしまうのだ。私の認識で非常に使用頻度の高い表現はこんな感じ。

yes(yeah), no thank you
sorry excuse me
good morning hello hi
how are you doing? see you (later) bye
have a nice day(weekend) you too
really you know

英語力なくして生活していくのに忘れてはいけないのはthe Internetの存在で、これを経由して十分な情報が得られるために生活しやすくなっているという効果は計り知れないものがある。

余談だが、先日、日本語を勉強しているという学部生と話す機会があった。CMUには日本語の授業があり、授業の一環としてネイティブの日本人と話すという課題がある。そのネイティブの日本人はボランティアなのだが、それをやってみたわけだ。
なんで日本語を勉強してるのかと聞いたら、日本のゲームに非常に興味があり、日本のゲーム企業に就職したいそうだ。ちなみに「FINAL FANTASY」がお気に入りとのこと(ただストーリはいまいちと言ってたが)。彼は日本語の勉強を始めて1年だが、われわれが英語を1年勉強するのに比較するとはるかに会話能力があると思った。

 

言葉の通じない世界にいると、なぜか自分が日本語ができるのがすごく不思議な気分になる。

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