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Niagara Falls(Oct. 21, 2001)

日本からはるばる友人が訪ねてきてくれたので、日帰りでNiagara Fallsに行ってきた。ここPittsburgh自体は観光都市ではないので、どこか観光地に行っておこうというわけだ。他にも、Wasington D.C.やNew Yorkといった大都市にいけないこともないのだが、時期が時期だけに、そして友人が危険だからやめろという親の反対を押し切って来てしまっているが故にこれら大都市は避けた。私には彼の身の安全は保障できないので...。

さてNiagara Falls。ここから日帰りで行ける場所のなかで、唯一の世界的な観光地かもしれない。日帰りで行けるとは言っても地図上で220mileくらいある。高速道路の制限速度は65mile/Hourなので、理論的には3時間半くらいで行けるのだが、当然現実はそうではない。途中休んだり寄り道したりしたので、結局片道5時間くらいかかったと思う。朝9時ごろに家を出たが、帰ってこれたのは夜の12時だった。

アメリカの高速道路はいくつか種類があるが、遠距離ではInterstateという大都市を結ぶ高速道路網が発達していて、快適なドライブを楽しむことができる(表記はI-xx)。これが日本で言うところの高速道路または自動車専用道路だろう。ところで日本の高速道路と自動車専用道路の違いって何?
Interstateは基本的に無料だが、ときどき"turnpike"といって有料の個所もある。ちなみに、研究社の英和中辞典によると、「植民地時代の米国で道路所有者がpike(遮断棒)で道をふさぎ,料金を払った人にそれをturnさせて通したことから」turnpikeと呼ばれるらしい。Pittsburghからの道程は、

Pittsburgh→(I-79北上)→Erie(Lake Erie湖畔の都市)
Erie→(I-90東行)→Buffalo(New York州)
Buffalo→(I-290, Rt.62)→Niagara

だった。InterstateにはRest Areaと呼ばれる休憩所が(場所によるが)数10mileごとにある。これはちょうど日本のPA(パーキングエリア)にあたる。ただ、SA(サービスエリア)に相当するものはあまりない。ガソリンスタンドやファーストフード店、コンビニ(ガソリンスタンドに併設)は大部分のインターチェンジを下りたところにあるし、下りたり乗ったりが無料なので不要なのだ。ただし、I-90は途中でturnpikeとなり、その途中にはService Areaがあった(下りたらお金かかるからね...)。ちなみにこのturnpike、60mileくらいの区間だったが全線乗って$2.10だった。

さて、Niagara Fallsは滝壷をはさんでアメリカ側とカナダ側の観光ポイントがある。まずアメリカ側に行ったわけだが、アメリカ側は滝の流れ出す側に位置するので、眺めもそんなに良くはないし、だいたいなんつーか、寂れてた。一応滝を見るのにいいといわれているポイント(Goat Island)にも行ったのだが、ほとんど人がいない。もっとも、この日は曇っていて風が強く、寒かったので無理もないのだろうか。土産物屋さんのおばちゃんも「(人がこないのは)寒いせいだねー」と言っていた。

でも、"Cave of the Winds(風の洞窟)"という滝を「目の前で」見るアトラクションに参加している人は何人か見かけた。このアトラクション、Goat Islandからエレベータで下(滝壷のところ)まで降り、滝を目の前で見るというもの。上から見ていても吹き上げる水飛沫でびしょびしょになるくらいなので、真夏ならいいだろうが、こんな寒い日に行くのは自殺行為としか思えない。ていうかこれ風邪の洞窟。

一応滝を見たことは見たけど、なんかいまいち欲求不満。ここはやはりカナダ側から見ないと。ということでカナダに渡ることにした。そこでVisitor Centerで行けるかどうか聞いてみたのだが、Green Cardがないといけるかどうかは分からないという心細い答え。なんか日本のガイドブックにも国境越えについていろいろ苦労したようなことも書かれていたのでちょっとドキドキ。しかも車で国境突破を試みようというのだ。

アメリカとカナダは橋でつながっていて、橋の両側に両国のImmigrationとCustomがある。

アメリカの出国とカナダ入国。橋は車で渡ると有料でUSD2.50(CAD3.50)。「カナダ側に行ってまた戻ってきたいんだけど」と聞くと、「あっち(カナダ側)で聞け、さよなら」とにべもない返事。そこで橋を渡ってカナダ側で聞く。料金所のブースみたいなところで入国手続きをするが、同じことを聞くと「(アメリカに戻ることを)そう願ってますよ」といわれてしまう。ひょっとして我々嫌われてる? カナダ側ではパスポートを提示し、滞在予定、行き先、車が誰のものか、何を積んでいるかなどを聞かれた。そのあと車をいったんオフィスの前に止めて中でスタンプをもらえと言う。どうもこれはアメリカ人、カナダ人以外のみらしい。中に入ると、係の人が「その場で1フィートジャンプしろ」という。なんかアホっぽいが仕方ない。ぴょんぴょん跳ねた。これって持ち物検査だろうか。ともかくそんなこんなでパスポートにスタンプをもらい、何とか入国。かかった時間は全部で15分くらいだろうか。

カナダ側では"The Table Rock"というポイントがあり、ここからの眺めはなかなかすばらしい。もう夕方だったが少し晴れ間が見えてきて、虹も見られた(常に水飛沫が上がっているので、晴れていると必ず虹ができる)。人は相変わらず多くはなかったが、アメリカ側よりはよっぽどいた。日本人も結構見かけた。
ちなみにカナダ側は駐車場が高い。USD7(両替しなかったのでUSDで払った。少なくともTable Rock周辺はUSDがそのまま使えてしまう)。アメリカ側は路上駐車すればタダである(時間制限はあるけど)。

そしてカナダ出国&アメリカ再入国。カナダの出国は何もなし。通行料も取られず、そのまま橋を渡った。渡り終わるとまた料金所のブースのようなところで止めさせられ、入国の手続きをすることになる。パスポートを出し、カナダでどこへ行ったか、何を買ったかなど聞かれた。友人は観光ビザなのでいつまで滞在するのかを聞かれ、私は大学名と学生かと聞かれた。そんなんで終わり。3分くらいだろうか。ガイドブックにはアメリカ入国のほうが面倒なようなことが書いてあった気がしたが、車から降りる必要もなく、あっけなかった。

結局、Niagaraはどうだったかというと、滝だった。あたりまえだって? じゃぁ言い換えると、ただの滝だった。世界的な観光地ということで期待が大きすぎたのかもしれないが、滝は滝である。10分も見れば飽きる。それを上から、正面から、下からとあらゆる見せ方をして観光客を惹きつけているわけなのだが、まぁ普通に見たら「まぁ、こんなもんでしょ」といったところだ。もちろんその気になればいろんなアトラクションや、カジノなどもあるので一日遊びまわることもできる。

最後にひとつ。今回は夜12時に帰宅という強行軍だったが、Interstate沿いはモーテルがたくさんあるので、いざ夜遅くなって帰れないと思っても泊まる場所があって安心。値段は大きいチェーンみたいなところで$40くらいから。

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