PSGによるPCM再生:PC-6001のクロックはどこまで信用できるのか?

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  • 更新日:2015/02/09
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いま、PC-6001のPSGでPCM再生を試みています。
全体的にかなりいい感じで進んではいるのですが、クロック計算がなかなか合わないというのが困りものです。

カタログ上のPC-6001のクロック周波数は3,993,600Hzです。半端に見えますが、因数分解すると
3993600 = 2^12 * 5^2 * 3 * 13
となります。カセット入出力やRS-232Cなどで作られている1,200Hzの2の累乗倍で考えると、
3993600 = 1200 * 256 * 13
となり、4MHzのZ80のスペックに従いつつかなり切りのいい数字なんですね。

さて、PCM再生には正確なタイミングが不可欠です。これまでの実験で、とりあえずCD音質の44,1KHzは不可能ではないのですが、S/N比が悪くバランスが悪いことが判りました。なにせPSGの音量コントロールだと、4bitでの再生になりますからね。

その1/4の11.025KHzだと、音量に12bitを割くことができ、音質的にもかなりいい感じです。
ああ、この辺は説明してませんね。PSGを3チャンネル使うことにより可能になるんですが、私も理解が追いついていないのでこれはまた後ほどということで。

とりあえずこれで実験を続けてみました。計算だと、

3993600/11025 ~= 362.23

となります。まぁこの際小数点以下は無視するとして、3チャンネルのPSG音量をセットアップするのに362T(-state)かけられる、ということです。もちろん、外部影響を無視するため、VDGからのDMAはoffにし、割り込みも止めています。

ところが、これで再生すると、遅いんです。当然音程も低いんです。そりゃもう、一青窈が平井堅になるほどに(嘘)。

処理には余裕があるので、16Tほど削減してみました。すなわち346Tです。すると、まぁいい感じです。あ、今回はM1サイクルのT-stateをちゃんとカウントしています。
でも、完璧じゃないと言うか、やっぱり少しはずれるんです。大体、削減した16Tというのも適当に削減するウェイト用の命令を選んだだけで、なんら根拠はありません。
.......これは何かがあるに違いない、とは思うのですが、確実な原因はわからないのです。

いくつか気になることは以下のとおりです。
  • CPUの周波数が3993600Hzなのに対し、PSG(AY-3-8910)の周波数は3578545Hzです。そしてこれはMSXのCPU周波数と同じです。もっともPSGにクロックいっぱいいっぱいで出力を与えられるわけはないのですが。
  • 仮に周波数をPSGの持つ3578545Hzとして計算すると、362Tで出る周波数は約9885Hz、修正後の346Tで出る周波数は10343Hzです。
  • MSX版でPSG再生するプログラムを参考にしたのですが、そこでは
    out (c), r
    にかかるステートがなぜか15となっていました(M1 wait込み)。Z80の仕様上は12です。M1ウェイトを入れても13です。
    そして、そのMSXのCPU周波数はPC-6001のPSGと同じ、3578545Hzなのです。
どなたか教えて、Z80 Geekな人!

#注記
上記の記事を書いているときは、実は再生時にdiを忘れると言う大ポカをやってました。なので、そのときのタイミングはかなり当てになりませんでした。ただし、割り込みを禁止して実験してみたところ、やはり計算どおりには行かず、平井堅です。どうしたものでしょうね??

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