前回の方法に味をしめて(?)、microcoreでも同じ方法が使えるのではないかと思いました。
TinyCoreからMicrocoreに移行
もともと、microcoreとtinycoreの差分はtczで提供されているので、microcoreで起動したら、次のようにすればmicrocoreをtinycore相当にすることができます。
% tce-load -i Xprogs % tce-load -i Xlibs % tce-load -i Xvesa % tce-load -i flwm_topside
もちろん、Dynabook SS 3410ではXvesaの代わりにXorg-7.5でなければいけません。 しかし、この部分は既に前回最小のファイルセットを見つけました。
あとは、XprogsとXlibsに対して同じような作業をすればいいわけです。
で、また地道な作業で最小限のファイルセットを作成しました。 例により、自動的に新しいmicrocore.gzを作成するためのスクリプトと一緒に公開しておきます。
準備として、/mnt/hda1/boot/microcore.gzを用意してください。 また、以下のパッケージを/mnt/hda1/tce/optionalに(tce-load -wで)入れておいてください。
Xlibs.tcz Xorg-7.5-lib.tcz Xorg-7.5.tcz Xprogs.tcz feh-1.3.4.tcz firmware.tcz flwm.tcz giblib.tcz openssl-0.9.8.tcz pixman.tcz
作成方法は、アーカイブを展開したあと、
% sudo sh mkmicrocore.sh
となります。 これで、/tmp/microcore.gzが作成されます。 なお、Virtual Boxで試す場合は、Xorg-7.5.tcz.vbox.minlistをXorg-7.5.tcz.minlistにリネームして mkmicrocore.shを実行してください。
今回は2バージョンあり、microcore-xorg- flwmはatermおよびflwmが入っています。 そのため、このパッケージではX Window上でターミナルを開いて作業することが可能です。 なお、flwmは私の好みで、tinycore標準のもの(flwm_topside)ではなくてタイトルバーが横につくもの(flwm)を入れてありま す。 標準のものにするには、flwm_topside.tczをtce-load -wでダウンロードし、flwm_topside.tcz.minlistを以下の内容で作成します。
usr/bin/flwm_topside
また、mkmicrocore.shを以下のように修正します。
(修正前) sh copyfromlist.sh flwm (修正後) sh copyfromlist.sh flwm_topside (修正前) echo flwm >> /tmp/microcore/etc/sysconfig/desktop (修正後) echo flwm_topside >> /tmp/microcore/etc/sysconfig/desktop
microcore-xorgはこれらは入っておらず、Xが起動したら.xsessionの中身を実行することしかできません。
.xsessionには、以前書いたように、次の行を追加しておきます。
xset s off xset -dpms (dynabookではこの行がないと一定時間後にスクリーンが消える) feh -F -D 10 -r --hide-pointer /mnt/hda2/Photos/
microcore-xorgの場合、終了する場合はCtrl+Alt+BackspaceでX自体を終了 させます。 デジタルフォトフレームを作るという本来の目的ではこれでも十分です。 コンソールでの作業はできますし、tce-loadで一時的に追加パッケージを入れてメンテナンスもできますから。
ベンチマーク
さて、ベンチマークです。 これまでの結果も合わせて表にしました。
パッケージ | grubから画像表示まで | 電源入から画像表示まで | メモリ使用量 | tinycore.gzのサイズ | tczのサイズ | 備考 |
Xorg + GQView | 28s | 40s | 98MB | 8.01MB | 16.20MB | |
Xorg + Feh | 26s | 38s | 56MB | 8.01MB | 14.61MB | |
Xorg最小化 | 23s | 33s | 45MB | 11.03MB | 0.00MB | grubの待ち時間を3sから1sに変更 |
microcoreベース+最小Xorg (flwmあり) | 21s | 31s | 35MB | 8.79MB | 0.00MB | |
microcoreベース+最小Xorg (flwmなし) | 18s | 28s | 34MB | 8.45MB | 0.00MB |
というわけで、最終的に起動時間が30秒を切りました。 tinycore.gz (実際にはmicrocore.gz)のサイズも、Xorgとfehを入れてオリジナルのtinycore.gzとそれほど変わらなくなりました。
BIOS スクリーンの時間はいかんともしがたいですが、実際grubからの起動時間を見ていると約18秒と、このスペック(Celeron 400MHz)にしては驚異的な速度で起動するのがわかります。 参考までに、環境作成に使用していたVirtualBox(ホストはCore i7-640M 2.8GHz、Windows 7 64bit、割り当てCPUは1個、メモリ192MB)での起動時間は5秒程度です。
ここで紹介している方法は、オリジナルのtinycore.gzやmicrocore.gzからファイルを削除するわけではないので、今後バージョンがあがっても修正が不要か、わずかな修正で動作することが期待できます。
PCとしてではなく、デジタルフォトフレームのようなアプライアンスを作るベースとしてTiny Core Linuxをカスタマイズしてきましたが、いかがでしょうか?
匿名
画面が真っ暗、でもカーソルは出てる状況。
探して、ここにたどり着きました。
パスワード入力で、復活!
修理に出す寸前でした。ホントにありがとう!