日本でも売られたマシンとかゲームとか
通常は入れないアイルランドはゴールウェイ(Galway)のDERI (Digital Enterprise Research Institute)にあるコンピュータ歴史博物館。前半はAppleやDEC、Commodoreといったものがありました。引き続き展示物を見てみましょう。
通常は見ることのできない博物館です。研究所の一角なので、お客さんが来るとき以外は中に入る人もいなく閑散としています。
AMSTRAD CPC 464。 1984年にイギリスのAmstrad社から発売されたホビー向けパソコン。前回紹介したCommodore 64に対抗するよう作られたそうで、右側にカセットデッキが内蔵されていました。Commodore 64が6510ベースなのに対し、こちらはZ80A (4MHz)ベースです。ヨーロッパで300万台を売り上げたベストセラー機です。
こちらは同じAmstradのCPC 6128。1985年発売で、カセットデッキの代わりにディスクドライブを内蔵したもの。SONYのSMC-777(1983年発売)とかを彷彿させるデザインですね。ただディスクは3インチだそうです。この当時Sinclair ZX Spectrum +3など、3インチフロッピーが一定の支持を得ていたようです。ただ、3インチフロッピーが足枷で泣いたX1Dと互換だったかどうかは分かりません。モデル名どおり128kB RAM内蔵。
左側のものはNewburry Labsという会社がデザインし、Grundy Business Systemsというイギリスはケンブリッジにある企業から売り出されたNew Brainという機種。1980年発売で、当時としては画期的な小型コンピュータです。その仕様はBBCのコンピュータリテラシープログラムの一部としても採用されましたが、Newburry LabsがBBCの要求を満足させることはできず、実際のコンピュータとしてはAcorn Computers Ltdのものが採用されました。本体に16桁のディスプレイが内蔵されていますが、外部モニタに高解像度のグラフィクスを表示させることができ、その解像度は640 x 256と当時としてはかなり高いものでした。
右側のものは、Dragon 32という名前のパソコンで、Dragon DataというWales (イギリス西部)の企業によって製造されていたものです。6809ベースで、こちらはRAMが32kBのバージョン。ほかにDragon 64という64kBバージョンもあったようです。1982年発売。当時有名だったTANDYのTRS-80 Color Computerというコンピュータに良く似たアーキテクチャになっています。当時の競合機であったSinclair ZX SpectrumやBBC Microなどに比べてグラフィック能力が弱く(最大256 x 192白黒、あれどこかで聞いたようなスペックですね)、苦戦したといいます。Dragon Dataは1984年にスペインのスタートアップ企業Eurohardに売られました。
こちらがBBC Microcomputerです。先ほども出てきたAcorn Computers製。1981年発売。
BBC はComputer Literacy Projectという、一般の人が身近にコンピュータに触れられるようにするプロジェクトを1980年代初頭に行っていましたが、ちょうど日本では同じこ ろ(1982年)にNHKが「NHK趣味講座 マイコン入門」をやっていました。私の人生が狂った(?)瞬間です。
Sinclair ZX81。 日本でも当初38,700円、その後29,800円で販売された低価格コンピュータの代名詞的存在でした。とにかくコストを下げるよう設計されていて、標 準搭載のメモリはわずか1kB、16kBまで増設できますが、そのRAMパックを本体後方の拡張スロットにつけると、ぐらつきで接触がおかしくなりリセッ トしてしまうことがありました。その場合実行中のプログラムが消えてしまうので、大事なデータを扱っているときなどドキドキものなマシンでした。このコン ピュータを世界で150万台以上も売り上げた創業者のClive Sinclairは、その後Knightに叙勲されたそうです。
日本ではあまり売られていませんでしたが、ZX81の後継機として一世を風靡したSinclair ZX Spectrumです。1982年発売。グラフィクスがモノクロだったZX81に対し、カラーが出せるのでSpectrumの名前を冠しています。本体にもカラーのスプライトが入ってますね。写真にも写っていますが、映像をテレビに出せるため、安価にコンピュータ環境が作れます。
設計についてのライセンスは米Timexも購入し、派生品が作られたほか、非常に多くのクローンが東欧諸国や南米諸国で発売されました。
Acorn ComputersのATOM、上記で出てきたBBC Microcomputerの前の機種です。CPUは6502でRAMは2kB (12kBまで拡張可能)、1980年に発売されキットで120ポンド、完成品で170ポンドの価格でした。
なんとなくベーシックマスターを彷彿とさせるのは私だけでしょうか。
パソコンというと語弊があるかもしれませんが、ATARIです。社名は囲碁の「当たり」から、ロゴマークは富士山から取られましたが、これは創業者の趣味が囲碁だったためで、アメリカの会社です。写真からはAtari 2600 Jrと 推測されます。1982年発売ですが、元となるATARI VCSは1977年発売です。CPUはMOS Technology 6502のコスト削減バージョンの6507を採用しており、ROMカセットでソフトウェアを供給する形式をとった初期のゲーム機であり、ファミコン (1983年)にも影響を与えていると思います。
Compaq Portableです。IBM PC/XT互換機として持ち運び可能な世界初のコンピュータ。1983年発売。1981年に発売されたOsborne 1がCP/Mマシンだったのに対し、本機は16ビットであり、MS-DOSに対応していました。キーボードを収納してケース状に なると「簡単に飛行機の機内持ち込み荷物にもできる」という触れ込みでもありましたが、重量は12.5kgあります。5インチフロッピーディスクドライブ 2台内蔵、CGA (640 x 200ドット)対応9インチグリーンモニタ内蔵、標準128kBのRAMで、640kBまで拡張可能です。このRAMのスペックは初代PC-9801と一 緒ですね。ただしPC-9801のグラフィックスは640 x 400ドットでした。
上 のCompaq Portable (初代)から進化したCompaq Portable III (1987年発売)です。CPUは80286/12MHz(80386/20MHzのモデルもあります)、メモリは640kB標準、最大8MBまで増設可 能です。20MB (最大60MB)のハードディスクも内蔵し、10インチのプラズマディスプレイ(オレンジ色のもの)を備えています。重量は9.1kgと初代に比べればか なり軽くなりましたが、相変わらずラップトップと言うよりラップクラッシュなコンピュータです。なおバッテリは内蔵していませんので、利用にはACアウト レットが必要です。オプションの拡張ボックスでISAカードを2枚まで利用することも可能です。
だいぶラップトップらしい風貌になってきたCompaq LTE/286で す。重量も3.0kgと、現代のラップトップと比べても重過ぎるほどではありませんね。80C286 (80286のCMOS省電力版) 12MHzに640kB RAM (4MB拡張可能)、フロッピーと40MBのHDD内蔵で表示はCGAです。Windows 3.0も動作した実績があるようです。1989年発売。
イギリスTangerine Computer SystemsのOric-1というコンピュータ。ZX Spectrum対抗機。CPUは6502Aでメモリは16kB (129ポンド)または48kB (169ポンド)。1983年発売で、この年だけでイギリスで16万台、フランスで5万台売り上げています。
最後はコンピュータとは言っても電卓。しかも世界最初期の電卓です。このモデルANITA 1000は1969年発売。ICとTTL (Transistor Transistor Logic)で作られています。画面は10桁のニキシー管です。
というわけで、コンピュータ歴史博物館紹介でした。
匿名
画面が真っ暗、でもカーソルは出てる状況。
探して、ここにたどり着きました。
パスワード入力で、復活!
修理に出す寸前でした。ホントにありがとう!