更正の請求の方法とカンタン計算Excelシート

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  • 更新日:2018/01/14
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更正の請求書

確定申告が間違っていた場合、更正の請求というものを行って足りない分を納めたり、納めすぎの税金を還付したりします。

その方法と、計算するExcelのフォーマットを用意しました。

こちらの方のExcelフォーマットを元にしました。私がダウンロードさせていただいたときは平成24年度までしか対応できなかった(復興特別所得税がなかった)のと、私の環境で見かけがおかしいところがあったため、そのあたりを修正しました。また、いくつか自動計算に対応させました。

平成25年度からの「復興特別所得税」対応になっています。

なお、海外赴任などにより、確定申告で家賃収入に源泉徴収がある場合の方法も書いています。

請求ができる場合

請求ができるのは、たとえば以下のような場合です。私の場合は不動産関係の更正なので、その経験で書きます。

不動産所得に関わる費用の算出が少なかった

たとえば、管理費などを費用として入れるのを忘れていました。

それから、保険料を費用に入れていませんでした。保険は複数年にわたるものを一括で購入していたため、年で割って請求しました。

不動産の原価償却費の算出方法が間違っていた

私の場合、最初に確定申告を行ったときに税務署の係りの人に原価償却費の計算をやってもらったのですが、そのとき勘違いがあり、購入年度が異なっていました。そのため算出率が違っており、償却費が大幅に少なく計上されていました。

正しく計算すれば原価償却費が多くなる(=費用が多くなって利益が減り、返ってくる税金が増える)ことになりました。

請求の仕方

1. フォームを用意する

こちらでダウンロードできるようにしてありますので、よかったらお使いください。

ダウンロード

2. 必要事項を記入する

上のほうから見てみましょう。

kousei1.png(クリックで拡大)

青いところが記入するところです。

最初の年度のところは対象となる年度(たとえば平成26年度分)を記入します。

上左側、税務署は所轄となるところを国税庁のページから調べて記入します。提出日は書き終わって提出する日です。

上右側、住所、氏名、職業(例: 会社員)、電話番号を記入します。

請求となった申告又は処分の種類は通常このままで、年度のみ必要に応じて修正すればいいと思います。

「申告書を提出した日云々」のところは、

  • 前回の確定申告の提出日
  • 結果の通知書(例: 国税還付金振込通知書)に書いてある日付
  • 今回の請求の事実が生じた日

のいずれかなのですが、どれも忘れてしまったか、分からない場合は、請求しなければならないと気づいた日でもいいかと思います。

「更正の請求の理由...添付した書類等」ですが、私は以下のように書きました。

不動産の減価償却費計算の間違い、管理費経費計上漏れ(xxx円)、火災保険計上漏れ(xxx円)、租税公課間違い(xxx円→xxx円)

固定資産税納税通知書写、収支内訳書、減価償却費計算書、管理費振込記録、火災保険見積書、請求書、振込記録

我ながら間違いだらけでしたね...。

3. 確定申告額を記入する

まず、当初の確定申告の控えを用意します。そこに書いてある金額をすべて「申告し又は処分の通知を受けた額」に記入します。

4. 請求額を記入する

請求額の欄に、更正する額を記入します。たとえば、不動産の費用が多くなった場合は所得金額が少なくなることになります。

参考にした元のExcelから少し改良してあり、いくつかの"0"になっている欄は自動計算するようにしてあります。ただ、税額は自分で計算する必要があります。国税庁を参考に計算してください。また、計算についての保証はできませんので、よく確認されるようお願いいたします。

扶養控除について対象となる場合は「人」と書いてある左側に人数を記入し、同じ欄のその下に国税庁などで金額を調べて記入します。

基本的には計算で求まった「差引所得税額」が納めるべき税額になります(災害減免、再差引所得税がない場合)これにはさらに復興特別所得税が2.1%かかることに注意してください。

2.1%分を「復興特別所得税額」に記入し、合計額を「所得税及び復興特別所得税の額」に書くのが正確なのでしょうが、私の場合は最初から2.1%加算した金額のみを「所得税及び復興特別所得税の額」に書いて「復興特別所得税額」の記入を忘れてしまいましたが、問題ありませんでした。

5. 還付先の口座情報を記入する

更正の請求の結果、納めすぎの税金が返ってくる場合は、振込先の口座情報を記入しておきます。

これまでの税金の申告が過少で納付が必要な時は、延滞税の計算方法を参考に収めるべき税額を計算します。納付が遅延すればするほど延滞税もかかるので、早めに納付しましょう。所轄税務署管内の銀行に行けば納付書が置いてあります。

6. 証明する書類を用意する

たとえば、費用が以前の確定申告よりもかかった場合、その領収書を用意します。とはいっても、マンションの管理費などは銀行振り込みでしたので、その銀行振り込みをした銀行の明細のコピー、たとえばWebで取得した明細のプリントアウトでもOkでした。その際、振り込み手数料も請求できます。

火災保険などに関しては、複数年度にまたがるため、領収書のコピーを用意してその年度分の金額を記入しておきました。たとえば、5年で10万円の保険だとすれば、1年度分で2万円分請求する、といった感じです。

原価償却費費の間違いについては、減価償却費計算書をワープロのフリーフォーマットで作って添付しました。その際、以下のような情報を書いています。

  1. 業務の用に供されていなかった期間の償却費計算
    取得してから海外赴任までは住んでいたので、そのときの償却率で計算しています。
  2. 業務の用に供してからの償却費計算
    貸し出しを行った月と業務用の償却率を元に計算しています。

ちなみに、減価償却の対象となる取得価額は、購入の際に土地と家屋の価格が分離してなかったため、固定資産税の土地と家屋の割合を元に算出しています(土地は減価償却しないため)。この計算は最初の確定申告のときに税務署の人がやってくれたので、取得価格が分離していない場合は妥当な計算方法なのだと思います。

7. 書類を税務署に送る

必要なものは印刷します。書類はすべてコピーをとっておいたほうが安全です。私はスキャンしておきました。

私は実際この請求書で還付を受けることができました。オリジナルを作ってくださったへろ~さんに感謝です。

帳簿をつけておこう

普段から帳簿をつけておけば、更正の手続きをする可能性も少なくなります。最近はクラウド型の会計ソフトがあり、何もインストールしないで使えます。

MFクラウドは無料で月15件まで仕訳できます(以前はトータルで50件に到達したら有料でしたが、今はずっと無料になったようです)。個人が自分の家を貸す程度の規模だと、仕訳(お金の出入り)が少ないので、これで済んでしまいます。会計知識のない人でも入力できるよう工夫されており、入力後に決算表などをみるとどのように転記していけばいいのかなどがわかり、勉強になります。私もこれで仕訳を練習しながらある程度会計を自分でできるようになりました。

なんといってもMoneyForwardとの連携があるのが強いです。口座の入出金が自動で仕分けできますし。

弥生会計は初年度無料。全機能1年間無料で使えるので、その間実地学習するような感じですね。もちろん気に入ったら継続すればいいわけです。

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