幸福な未来を迎えるために
世界中で発売されベストセラーになったLynda Grattonの「ワークシフト」です。原題は"The Shift"といいます。
「漠然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ち受け、
「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生がある。
というメッセージのもと、働く人生について考えさせられる本です。
シナリオプランニング
本書はまず2025年の世界(今から考えると10年後ですが、本書(原著)出版時には14年後の世界でした)に予測される技術や社会の様々な変化について論じます。その次に「シナリオプランニング」という技法で未来の予想図をストーリーで示しています。
このシナリオプランニングはJay Ogilvyがシェルと作成しているものが有名です。シェルはシナリオプランニングで将来予測をしてそれに備えたため、80年代の急激な原油安にも大きく影響されず業績を伸ばすことができました。
暗い未来と明るい未来
ストーリーはネガティブなものとポジティブなものの2部構成。
積極的な行動をとらずに漫然と迎える未来は忙しく、孤独で、貧しいものとなります。この未来像は結構具体的かつリアルで、読んでいて正直鬱になります。
一方で主体的に築いていく未来は明るく、バランスがとれており、創造性にあふれています。ネガティブな未来像と技術や社会の前提は変わらないのに、ここまで変わるのかと驚かされます。
明るい未来へのシフト
将来を幸せに迎えるためには、自分の考え方や態度、行動を変えなければいけません。本書はそのために考えるべきこと、やるべきことを3つにまとめています。
第一のシフト: ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
いわゆるI型人間からT型、Π型へのシフトです。広く浅くのゼネラリストでは将来は暗く、高度な専門技能を複数分野において持つことが重要であると説いています。
第二のシフト: 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
未来はコラボレーションで作っていくものです。IDEOのTim Brownも「みんなは一人より賢い」と言っていますが、オープンマインドで協力して築くところに明るい未来があります。
第三のシフト: 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
「働いて給料を受け取り、その給料でものを消費して幸せを得る」という「古い約束」は崩れ始めています。消費よりも経験に価値をおく生き方にシフトする必要があるといいます。働くのは給料を受け取るためというよりも、いろいろなことを学んだり経験したりできるから、自分を成長させることができるから、という方向に軸足を移すべきであり、そうすることにより人生における「幸せ」の意味も変わっていくということです。
深い内省を
本書を真剣に読むことは、自分の生き方に深い内省を促します。将来がこの本の通りになるかどうかはさておき、「働く自分」の幸せは何か、ということを深く考えさせ、人生のゴールをどこに置くべきかということを深く考えるきっかけになる良書です。
匿名
画面が真っ暗、でもカーソルは出てる状況。
探して、ここにたどり着きました。
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修理に出す寸前でした。ホントにありがとう!