インボラを狙うならこう乗れ!

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  • 更新日:2017/02/24
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インボラにもコツがある

インボラ、インボランタリーアップグレードは「される方」にとってはいいものです。航空会社の都合で無料で上級クラスに乗れてしまうわけですから。

一方、正規の料金を払って乗っている人にとっては面白くない話でもあります。

以前インボラのタイミングについて書きましたが、今回はインボラされる条件について、私自身の経験をベースに考えてみたいと思います。

P1000011.JPGいつかは乗ってみたいファーストクラス

なお、断りのない限り、ANAを前提としています。

ステータスの影響

航空会社が顧客に対して与えるステータス、ANAでいうとダイヤモンドとかプラチナとかありますが、これがインボラに与える影響はどうでしょうか。

経験では、ゴールドメンバーであるかどうかは分かれ目になると感じています。普通のANAマイレージクラブメンバーでは歯牙にもかけられなかった(?)のが、頑張ってプラチナステータスになった瞬間にインボラされたりしました。

あと、よくダイヤモンド、プラチナ、スーパーフライヤーズカード(SFC)のステータス差が話題になることがあります。

  • 年間100,000ポイント→ダイヤモンド
  • 年間50,000ポイント→プラチナ
  • ダイヤモンドまたはプラチナステータス中に特定のクレジットカードに申し込んで得られるステータス→SFC

SFCはクレジットカードの会費を払っている限り(飛行機に乗らなくても)続くので、ダイアモンド、プラチナから見るとだいぶ劣るステータスである、という見方があります。確かにそうなんですが、ことインボラで見る限り、極端な差はないように感じています(私は全てのステータスを経験しています)。

それはなぜかというと、次に挙げる混み具合がインボラに最も影響するためです。

混み具合

もともとインボラは、搭乗クラスの座席が足りないために発生するものです。座席が足りていている場合はインボラは原則的に発生しません。

P1120892.JPGガラガラではインボラはできない

では、なぜ座席が足りないという事態が発生するかというと、航空会社がオーバーブッキングするからです。

旅客機は人を乗せて飛ばして初めて利益が出ます。そのため、なるべく搭乗率が高い方がいいのですが、ファースト、ビジネス、エコノミーの座席数は決まっているので、乗る人と提供座席数にミスマッチが発生します。

例えば、私が頻繁に飛んでいたロンドン線の場合、通常期に多いのはビジネスマンです。ビジネスマンは会社の費用で飛ぶので、中級~上級管理職などある程度の役職の人はビジネスクラスに乗る人も多いです。ビジネスクラスはエコノミークラスに比べて利益がかなり大きいため、航空会社としてはビジネスクラスを多く装備して多く販売したいのです。

ANAでロンドン線をよく飛ぶ機材(ボーイング777)の212席設定では、ファースト8、ビジネス68、プレミアムエコノミー24、エコノミー112席です。これに対しハワイ線などを飛ぶボーイング767の一例では、ビジネス35、エコノミー179席です。意外にロンドン線のエコノミーの座席数が少ないことがわかります。

ところが、夏休みなどのホリデーシーズンになると旅行客が増えます。今は「ビジネスクラスで行く~~の旅」といったツアーも増えましたが、やはり旅行客の利用の中心はエコノミークラスです。とはいえ、エコノミークラスの座席を急に増やすわけにもいきません(飛行機の構造上は簡単に変えられるそうですが)。また、キャンセルもそれなりに発生するので、航空会社では、それを見越してあらかじめ多めの座席を販売してしまうわけです。

そのような状況なので、乗客の多い季節、ホリデーシーズンはエコノミークラスが満席、ビジネスクラスに空席という状況になりやすいため、かなりの確率で誰かがインボラされる、ということになります。

人数

私は複数人のグループ旅行でインボラされたことがないので、確実には言えないのですが、インボラは一人が圧倒的にされやすいです。

グループ旅行の場合、当該便がオーバーブッキングで、その中の誰か一人がインボラの条件を満たしていたとしても、一部の人だけインボラするのは心情的に難しいでしょう(話には聞いたことがありますが)。また、複数人を一斉にインボラする場合、その人数でエコノミーとビジネスの座席数がうまく合うないようにしなければなりません。

私の経験では、インボラではなくてマイルを使ったアップグレードでも、複数人をまとめてアップグレードするのはより困難になります。グループの一部(子供)の上位クラスの正規料金を払っていても他の人のアップグレードが不可になりそうになったこともあります。

これらのことから、グループ旅行でのインボラはハードルが上がると思っています。

予約クラス

予約クラス(ブッキングクラス)とは、料金によって決まるクラスで、搭乗するクラス(ファーストはF、ビジネスはC、エコノミーはY等)を料金で細分化したものと考えればわかりやすいでしょう。

P1000006.jpg

搭乗がファーストクラスだからといって、ファーストクラスの料金を払っているとは限らない

飛行機の座席は早めに予約したほうが一般に安く買えるのですが、この値段は一つ一つ予約クラスが対応しています。

経験では、予約クラスはインボラにけっこう影響します。当たり前ですが、航空会社はたくさんお金を払っている人を優遇するでしょうからね。プレミアムエコノミーからビジネスクラスへのインボラはかなりの勝率です。

あるとき、全くステータスがなく、かつ滅多に飛行機に乗らない人が、PEX運賃(予約クラスB)で搭乗したときにビジネスクラスへのインボラを提供されるということがありました。予約クラスBはエコノミーの中では比較的値段が高い(上から3番目)運賃クラスで、マイルを支払えば自分でアップグレードすることも可能なクラスです。当該便はオーバーブッキングがあったんでしょうが、ステータスの高い人(で安い運賃で乗っている人)よりも、ステータスがなくても高い料金を払っているのが優遇されたのだと思います。

ただ、格安運賃でもインボラされないということではなく、他の条件との複合的な要因だと思います。たとえば、北京線でインボラされたときの予約クラスはK (比較的低い)でした。

インボラされやすい条件は?

何といっても「混んでるとき」これが一番の条件です。なんせ、空席があってはインボラはありません。それも、「エコノミーは満席だけど、ビジネスはガラガラ」というのが大事です。ビジネスが満席だとインボラしたくてもできません。

これを言い換えると、「ツアー客は多いが、ビジネス客は少ない」ときが狙い目ということです。

次に、一人旅であること。複数人、特に多人数で行くときはインボラはあきらめましょう。

そして、なるべく高い予約クラス。予約クラスはマイルでアップグレードが可能な運賃だと私の感覚では確率が上がっています。

最後にステータスです。私の経験では、ことインボラに関しては意外とステータスは顧みられていません。特に、前にも書きましたが、ダイヤモンドでもSFCでも、インボラされるときはされるし、されないときは全くされません。ゴールドステータスは「できればあったほうが良い」くらいでしょうか。

いろいろ書きましたが、インボラはあくまで航空会社の都合で発生するもの。されなかったからといってがっかりするのではなく、されたらラッキー、くらいに考えておくのが吉ですね。

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