せっとすらいどばぁ:飛行機のドアが閉まった時のセリフ

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  • 更新日:2018/11/03
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飛行機に乗ると、搭乗後にいつも気になることがあります。

乗客の搭乗が終わり、ドアを閉めると、決まって「何か」言うのです。

これはどの航空会社でも言うのですが、ここではANAの例です。

P1180139.jpg出発を待つ機内

何を言っているのか

先日のフライトでは、ドアが閉まった直後、

きゃびんあてんだんと、すたんばいあっとどあ
きゃびんあてんだんと、せっとすらいどばぁ

と言っていました。

Cabin attendant, stand-by at door
Cabin attendant, set slide bar

ですね。

なんとなく英語の語感だと

Cabin attendants, stand-by at the door

などと言いそうですが、いつも聞いているとキャビンアテンダントは単数形で言ってますし、冠詞もありません。常にそうなので、きっとマニュアルにそう書かれているのでしょう?

これはなんなのか

飛行機では、乗客が搭乗後ドアを閉めた際に、ドアのモードを"armed"というモードに変更する必要があります。

飛行機のドアは、disarmedのときに開くと普通に開き、armedの時に開くと脱出用スライドが展開するようにできています。

Emergency_exit_slide.jpg脱出用スライド(出典: Wikipedia)

乗客が全員乗って、飛行機の出発準備を完了させるための手順の一つなのですね。

このあと、仮に滑走路に行く途中で事故があり、脱出が必要だった場合は、ドアを開けることによって脱出用スライドが展開します。

逆に、到着時などボーディングブリッジに飛行機が到着しているときは、disarmedにしなければなりません。以前、ピーチアビエーションが間違ってボーディングブリッジから離れる前にarmedのドアを開けてスライドが出てしまうというトラブルがありましたね。

ANAの場合、最近はこのアナウンスの前に

客室乗務員は安全業務をいたします。ご用のある方は後ほどおしらせください。

というセリフが加わりました。業務上、英語で言うことが決まっているセリフのようなので、あらかじめ日本語で説明しているのですね。

以前はなんと言っていたか

ドアが閉まった時のセリフは、時代とともに変わってきています。

私が記憶している限り、こんな感じです。

2011年ごろまで

Cabin crew, move selector lever to armed

2011年ごろから2016年末ごろまで

Cabin crew, doors for departure

2016年末ごろより

Cabin attendant, set slide bar

昔のものは記憶に頼っているので若干違うかも。

意味は同じなのですが、時々変更することには何か意味があるのでしょうかね。

他社はなんと言っているか

JALの場合

業務連絡です。客室乗務員はドアモードをアームドに変更してください。
(加えて、相互確認をしてください、と言うこともあります)

国内線の場合です。日本語のみで言っているので、ANA国内線の場合の英語アナウンスは社内のローカルルールなのかもしれません。

海外の会社の場合、例えばカンタス航空のアナウンスでは

Cabin crew, arm doors and cross check

などと言っているそうです。こちらの方が直接的で意味はわかりやすいですね。

P1030896.JPG北京行きNH1285便

今度飛行機に乗るときは、なんと言っているか聞いてみてくださいね。

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