インターネットの進化で2030年はこうなる、4つの予測

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  • 更新日:2020/10/02
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2030年、世の中はどうなってしまうのでしょうか。

技術動向の点から予測すると、いろいろ見えてきます。

ガソリン車が消える

世界中で電気自動車の開発競争が過熱しています。

コロナ禍でTeslaの時価総額はトヨタを超え、欧州のVWやBMW、メルセデスも電気自動車の開発にしのぎを削っています。

日本はハイブリッドで先行したのですが、電気自動車に関しては少々遅れをとっているように見えます。

日本がガラケーにこだわりスマートフォンの流れに乗り遅れたように、ハイブリッドカーによって電気自動車の流れに取り残されないか少々心配です。

また、あらゆる車がインターネットに常時接続、つまりコネクテッドカーになるでしょう。

この世界はBMWが比較的早くから取り組んでいましたが、Teslaが自動運転での必要性からコネクテッドになって加速しました。

2030年には車だけでなく、信号機や標識など、交通のコントロール自体がネットに接続され最適化されていくと考えられます。

渋滞が皆無にはならないかもしれませんが、今よりもずっと走りやすく事故の少ない社会になるかもしれません。

3Dホログラム配信が主流になる

5Gおよび6Gといったネットワークの速度や遅延の改善により、情報共有の対象も変わるでしょう。これは、歴史を見れば明らかです。

ネットワークにおける情報共有は、文字から始まりました。

1980年代から、netnewsやパソコン通信のBBSなどにより、配信・共有されていたのは文字でした。

1990〜2000年代にインターネットが普及し、PicasaやFlikrなど、画像の配信・共有が一般的になりました。

2010年代は動画の配信が普通になり、スマートフォンとYoutubeやTiktokなどのサービスを使い、誰もが動画の配信・共有をできるようになりました。

すると、次に来るのは3D化になります。

ここで言っている3Dは、2010年ごろに一時期ブームになった「3DTV」ではなく、ホログラムです。

つまり、360度全方位から見ることのできる映像です。

既に技術的に3Dの撮影、配信、再生をすること自体は可能です。

今はまだ機材の価格や大きさ、データ量や形式の統一化などが壁になっていますが、早晩解決され誰もが利用できるようになるでしょう。

また、現在のメディアは視覚情報(映像)および聴覚情報(音声)に限られていますが、それ以外の感覚(触覚等)に発展する、いわゆるマルチモーダルになる可能性もあります。

スマートフォンの終焉

ユーザーと直接情報をやり取りするインタフェースの地位をめぐっては、GAFAに限らず多数の企業がひしめく激戦区です。

そこが究極の顧客接点だからです。

スマートフォンやAlexa、既に販売を終了しているAmazon Dashボタン、いまはまだ広まっていない眼鏡型デバイスなどなど。

2030年には少なくとも、現状の「キーボードとモニター」「スマートフォンとタッチインタフェース」といった組み合わせに、新顔が加わる可能性は高いです。

例えばメガネ型デバイスです。これらは今あるデバイス、たとえばスマートフォンの周辺機器として登場するでしょう。そして徐々に親機に取って代わるのです。

iPhoneは最初、Macがないと設定できませんでした。つまりMacの周辺機器扱いだったのです。

いまiPhoneの周辺機器扱いになっているApple WatchやAirPodsなども、早晩スタンドアローンになるのではないでしょうか。

脳をインタフェースにするということも熱心に研究されており、サピエンス全史で語られた人類のアップデートにつながっていくかもしれません。

世の中はリアルタイムに見える化する

Smart Dust (スマートダスト)というものがあります。

塵のように小さなIoTセンサーという程度の意味で、小さく安価であらゆるところに埋め込みが可能なものです。

RFIDは単に情報を埋め込んだタグでしたが、スマートダストは情報収拾能力、情報処理能力、通信能力が足されています。

センサーを装備し長距離通信ができるようになったSuica (Felica)、と言ってもいいかもしれません。

まだまだコストの問題などで実用的に使える状態にはなっていませんが、センサー技術およびLPWA (Low Power Wide Area)ネットワーク技術などの進化により実現性は高まっています。

現在実現されているIoTセンサーから徐々に進化し、控えめに見積もっても2030年に一部は実用化され、そこそこコストをかけても割に合うところに入っていくでしょう。

例えばビルや橋脚などインフラのメンテナンスのための利用は期待されていますし、コストがあまり下がらなくても金庫に取り付けられるかもしれません。

カリフォルニア大学バークレー校では人の体に埋め込むNeural Dustというものを研究しています。

人工臓器の状態をモニターしたり、逆に筋肉に信号を出して機能回復させたり、センサーの小型化は驚くような可能性を秘めています。

スマートダストの実現のインパクトは深淵です。

それは、世界がますます透明化することを意味するからです。

よく、「Googleではあらゆることが検索できるが、いま扉の向こうに誰がいるかはわからない」と言われますが、それがわかるようになってしまうかもしれません。

リアルタイムに情報が取れてしまうからです。

そのため、プライバシーの保護との関係がさらに議論されることになるでしょう。

まだまだ色々なことが起こる

実のところ、2030年に「起こりそうなこと」はまだまだあります。

ここではその中から4つ、技術の進化の状況から確度が高いところを紹介しました。

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