住友三井銀行が自滅する壮大な勘違い

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  • 更新日:2021/04/24
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最近コンビニATM手数料を値上げしたばかりの住友三井銀行(SMBC)ですが、

手数料優待サービス内容改定のお知らせ

というものを出しています。

だいたい「改善」ではなく「改定」といっているあたりに嫌な予感しかしないのですが。

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改定といえば改悪

まぁ要は改悪なわけです。

今回の変更は、はやい話が

コンビニATMが無料になる回数が少なくなる

ということです。

ATMの無料どころか振り込み手数料の無料化競争をしている銀行が多数あるなかで、値上げをしたり無料回数を減らす話をしているのが、時代に逆行しすぎて度肝抜かれちゃいました。

そのコンビニATM手数料ですが、これまで、

  • 預かり資産30万円以上
  • 給与受取・年金受取口座指定
  • クレジットカード代金引き落とし
  • Web通帳契約
  • SMBCデビット契約
  • 満15歳〜満24歳

のいずれかを満たせば、「月3回」までコンビニATM引き出しは無料でした。

今後、月3回のコンビニATM引き出し無料にするには、

  • 預かり資産500万円以上
  • 投資信託・外貨預金の合計100万円以上
  • NISA残高あり
  • 投信自動積立または外貨児童積立サービスの利用

のいずれか。

  • 給与受取・年金受取口座指定

の場合は月2回まで無料。

  • SMBCデビット契約
  • クレジットカード代金引き落とし
  • 満15歳〜満24歳

の場合は月1回まで無料となります。

また、「Web通帳契約」は条件の対象外になり、Web通帳を持っているからといって優待を受けることはできなくなりました。

この条件だと、多くの人に該当するのは月2回無料条件の「給与受取・年金受取口座指定」までではないでしょうか。私もそうです。

わかってない

これを見て思うのは、

わかってない。わかってないよSMBCさん

ということです。

そもそも時代は「ATM手数料無料、振り込み手数料無料」です。

手数料収入が銀行にとって貴重なものだというのは理解しますが、投資関連への顧客誘導があまりに露骨です。

たしかに投資などの「儲けられる手数料」はまだ積極的に払ってもらえる手数料ではありますが、それだってネット証券が安値競争をしています。月3回無料の条件になっている投信やらNISAやら外貨やらというのは、SMBCよりよっぽど有利かつ便利に取引できるネット証券会社がいくらでもあります。

わざわざこの程度の優待を目的にSMBCで投資をする人が増えるとはとても思えません。

まぁ、「大事な資産は都市銀行に預けねば」と思うような資産家、高齢者、物好きなどはいるでしょうが、「不便な銀行がなんかさらに不便になるから銀行そのものを変えよう」と思う人が大勢いる可能性を考慮していません。

つまり、

SMBCは自らサービスを不便にして、顧客流出を促進している

ということになります。

この「改定」の取引条件の判定は2021年7月スタート、優待が実際に変更されるのは2021年9月からとなります。

さて、SMBCと取引のあるあなたは、どうしますか?

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