薬局のデジタルトランスフォーメーションで出会った驚愕のデジタル化

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  • 更新日:2021/05/15
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最近、

これぞ日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)!

と感じる事例がありました。

先日、病院に行ったのですが、その薬を近所のカワチ薬局で受け取ることにしました。

カワチ薬局は「電子お薬手帳」というのを展開しており、常に紙のお薬手帳を持っていくのを忘れてしまう私なので、これを使ってみることにしました。

なにせ、以前書きましたが、お薬手帳を忘れると余計に費用を取られますし。

手続きがデジタル...だと?!

電子お薬手帳はアプリになっています。

これをスマートフォンにインストールして、いくつか必要事項(名前や薬局など)をあらかじめ入力しておきます。

病院では、これまで通り、紙の処方箋をもらいます。

これをアプリで撮影すると、薬局に送ることができます。

病院と薬局の間でデータ連携しているわけではなくて、紙を写真で撮ったものを薬局側で見ています。

しばらくすると、薬局から薬の用意ができたという連絡がアプリに入ります。

患者さんは病院で発行された処方箋を持って薬局に行きます。

処方箋を撮影して薬局に渡したとはいえ、処方箋は必要です。

薬を受け取るときに驚愕しました。

薬局では、先ほどアプリで送った処方箋を紙に印刷して、それをもとに処方を行なっていました。

せっかく(写真とはいえ)電子データにしたのに、また紙に印刷したらアナログに戻っちゃうじゃん!

そして、薬を受け取るときに(紙の)お薬手帳を持参すると、以前同様そこにシールを貼ってもらうことができます。

ただ、せっかくデジタルなのに紙のお薬手帳では悲しいので、アプリのお薬手帳にデータを入れることもできます。

「アプリにお薬の情報を入れます」というと、以下の紙をもらえます。

medication.jpg!!

バーコードが印刷された紙です。

このバーコードを先程のアプリで読み込むと、お薬の情報がアプリに入力されます。

せっかく処方箋の情報で薬局とオンラインにつながっているのに、再び「紙経由」でデータ入力するのです!

なぜこうなる!!

すでにデータ化はされているはずだが...

こんにち、そもそも病院でも薬局でも、処方の情報は電子的に管理されています。さらに利用者が「電子お薬手帳」というアプリを持つことで、三者の間で完全に紙媒体を使うことなく電子的にやり取りを済ませることが可能なはずです。

それでも、病院と薬局の間が縦割りでデータ連携しにくい、という事情があるのは現状としては理解はできます。なので100歩譲って「まだできていない」と思うことにしましょう。

スマートフォンで撮影した写真を紙に印刷しているレベルでは、「処方箋を預けるために薬局に行く」ことが不要になった、という以上の意味はないですが。これでも業界の方にとっては「デジタルトランスフォーメーション!」なのかもしれません。

謎なのは、なぜ薬局と利用者の間で紙経由で薬の情報をデータ入力する必要があるのか? 少なくともここら辺をデジタルで済ませるための「電子お薬手帳」ではなかったのか?

これでは、「紙の電子手帳に貼るシールがスマートフォンアプリに貼れた」以上の意味がありません。

あ、ひょっとして「紙の電子手帳に貼るシールがスマートフォンアプリに貼れる」ことが「デジタルトランスフォーメーション!」だったのかもしれません。失礼しました...。

ちなみに、ヨーロッパのエストニアでは、処方箋は完全デジタル化されていて、クリニックで処方された薬は、紙の処方箋不要で国中どこの薬局でも受け取ることができます。近年はエストニアの電子政府システムであるX-Roadが人的経済的交流の強い、お隣のフィンランドにも展開されたので、国中どころか、フィンランドにある薬局ですら受け取ることができます。

日本がこのレベルに到達するまでに、あと何年必要なのでしょうか。考えさせられる出来事でした。

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