コロナで経済が減速する本当の理由

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  • 更新日:2021/07/24
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最近、コロナウイルスの蔓延により、新しい生活様式、つまりニューノーマルと言われるものがすっかり普通になりました。

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ニューノーマルについては色々と巷でも書かれているので、それがなんであるかは詳しくは書きません。

ここで話題にしたいのは、ニューノーマルは「消費経済」を変えてしまうでしょう、ということです。

ニューノーマルのもとで、感染を避けるため、人と人の接触を可能な限り避けることが奨励されました。

ものを買うのもオンラインで注文して配達してもらえばいいですし、仕事の話をするのも自宅にいながらWeb会議が可能になりました。

もともと技術的には可能だったことではありますが、コロナによりいわば強制的に実験から実践になってしまったわけです。

しかし、これにより、実際かなりのことがオンラインで済むことに皆気づいてしまいました。

なんとなく買い物に出かけていたのが、外出の自粛でお店にも行かない。

行かなければ、そこで消費するはずだったなんとなく買っていたモノや外食などの消費は抑えられます。

もちろんオンラインで色々なものが買えますし、自宅にいることで光熱費の消費が増えたりするので、純粋な消費減少ではありませんが、それでも出ていくお金は減るでしょう。実際、コロナ期に入ってから月の貯蓄額が増えたということを良く耳にします。

企業にとっても同じです。

出張もしない、会食もしないということで、コストはかなり削減されていると思います。

出張で言えば、東京地域にいてときたま都内の別の場所で打ち合わせをする環境にいたとしても、月一人当たり数千円〜数万円くらいの経費がかかります。なんといっても、その移動にかかる時間コストがバカになりません。

また、コストのかかる海外出張がほぼゼロになったことで、相当の経費削減になっています。私の経験では、エコノミークラス利用の一週間の欧米への海外出張でだいたい50万円くらいかかります。

それで売り上げが変わらなければ、今までかけていたコストはなんだったんだ、という話にもなりますね。いま、企業の業績が良い理由にはこんなことも一因にあります。

ある意味において、みな消費者として賢くなったということでしょう。

しかし、こうなると「無駄な消費」を期待する経済には大打撃です。多かれ少なかれ、経済には「無駄」を期待する側面があります。

これまで、経済の発展は、新たな無駄を生み出すことにより支えられていた、とも言えます。

消費者が賢くなることで、無駄が抑えられるのはいいことではあります。

いっぽう、国民が賢いほど、無駄な消費が抑えられ、いわゆる「経済発展」が阻害されるという逆説的状況も発生することも考えられます。

消費経済の規模が縮小し、GDPも縮小への圧力がかかる可能性があります。

もしかすると、コロナウイルスの影響が無視できるほど小さくなっても、世界経済の発展ペースは過去の数値を取り戻せないかもしれません。

個人的にはこれが悪いこととは思いません。ニューノーマルで皆が賢くなり、無駄がある程度排除されたところから、より高度な企業間競争が始まると思うためです。

ただ、世界は一様ではなく、従来型の成長を求める国と、新たなフェーズに入った国の間での軋轢が発生する可能性もまた高まるのではないでしょうか。

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