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日常の買物 (Sep. 30, 2001)

ここPittsburghの日常生活は、日本の地方都市の日常生活に近いと思う。休日はダウンタウンから人が消え、郊外にあるショッピングモールや大型店舗が賑わう。生活必需品はほとんどモールで揃うが、車は必須である。この辺の感覚は、日本の地方都市の生活を彷彿とさせる。例えば、私が時たま住んでいた(苦笑)栃木県黒磯市がこんな感じであった。周辺にAEON TOWN、LAPARK、カインズホームといった大型ショッピングセンターがどかんどかんと建っている。

Pittsburgh郊外のショッピングセンターも似たようなものであるが、規模は日本のそれに比べかなり大きい。mallというのはひとつの建物を指すようだが、これひとつで日本の平均的な大型ショッピングモールの1.5〜2倍くらいあるのではないだろうか。実際にはmallがあるところには複数のショッピングセンターが建っている。もちろんその間の移動は車である。

ショッピングモールに入っている、または単独で巨大な店舗を持つ主な店には以下のようなものがある。ただし私が行ったことのあるところだけ。日本で知られているお店もいくつかある。

ちなみに、でかいのは店だけではない。当然駐車場も1,000台は停まるだろうというくらいの規模はある。そして店の中で押して歩くカートがでかい。BESTBUYでは、このカートに17インチディスプレイ(!)を入れてショッピングする家族を見かけた。彼らにとっては牛肉もGパンもパソコンもタイヤもスーパーで買いまわるという意味で同じであり、スーパーでカートに入れてレジを通過すべきものなのだ。実際、いくつかのショッピングセンター(WALMART等)ではこれらはいっぺんに買える。日本と違い、スーパーではレジの人が商品を袋に入れてくれる(日本でも2、3個しか買わない場合に入れてくれるが、あんな感じ)が、レジの人も大変だろうな...。
週末はこれらショッピングモールに行ってカート一杯(=ほぼ車1台分)買い物をして次の週に備える...これがこの辺のアメリカ人の一般的な生活のようだ。

さて、気になる(?)物価だが、日本より総じて日常生活用品は安い。ちなみにアメリカはsales tax(日本でいうところの消費税)は州によって制度が異なるが、ここPennsylvaniaは食料品と衣類は無税で、それ以外は7%である。

食品について私の見たところをざっと挙げてみよう。野菜の値段はおおよそ日本と同じくらい。牛乳($1.6/half gallon)や卵($1以下/12個)はかなり安いと言える。チーズは同じくらい。肉はずべてlb(ポンド)単位で、大部分が牛肉。次に多いのが鶏肉で、豚肉は非常に少ない。牛肉の値段は$1.5〜$3/lbくらいが安いものの主流。日本の言い方に直すと40円〜80円/100gくらいか。もちろん高い肉も売ってるが、普通のスーパーで売ってるのは高いといっても$8/lb程度で、これでも日本円では200円/100gちょっとだから、結構安いと言える。コーラなどのジュースはスーパーで買うなら2リットル入りのペットボトルが$1くらい。ちなみに烏龍茶は売っていない。甘くない飲み物が欲しかったらペットボトル入りのものでは水くらいしかない。
日本人なら米! ということで米も買うわけなのだが、これは普通のスーパーでは売っていない。アジア系の食材店に行くことになる。値段は20lbs(約9kg)で$9〜$13ほど。アメリカ国内平均と比べて高いんだか安いんだか分からないが、日本国内の価格には比べるべくもないだろう。私が買っている米は「コシヒカリ」で、$11くらい。日本の米と比べても味はまったく遜色ない。

※2001.10.3追記:「広告の品」で、99セント/lbという挽肉があった。約26円/100gということになる。ただし1パック10lbs入り...。

大雑把に言って、食品は日本よりだいぶ安い。ただし何でも量が多いので、一人暮らしだと余らせることになりがちである。肉のパック、最小量が500g以上なのは勘弁して欲しい...。

逆に、妙に高いと思ったものもある。例えば、紙製品。ティッシュペーパーは1箱80セントくらい。しかもこれで160組しか入っていない。日本のように5箱パックがなく、あっても3箱パックくらい。そもそもほとんど種類がない。また、トイレットペーパー(こちらではBathroom Tissueという)も日本に比べると値段が高い。紙製品で日本と違うのは、テーブルナプキンが非常に多種売られているということがある。日本だったら普通ティッシュペーパーが占めているはずの売り場をテーブルナプキンが占めている。きっと日本人がティッシュペーパーを使う場面でアメリカ人はこのナプキンを使うのであろう。アメリカ人の鼻は丈夫なのだ(嘘)。
あと、これは知っている方も多いと思うが、煙草が高い。日本では250円程度の煙草も、こちらでは$4近い。私は日本から持参した煙草を切らしてからほとんど吸わなくなってしまった。香港よりはましだと思うが、さすがに高すぎる。禁煙したい人はアメリカに来るといいかも。

嗜好品でも煙草は高いがビールは安い。アメリカでは、酒類の中でもビールだけは飛びぬけて安い。ちなみに、Pennsylvaniaではビールとその他の酒類は売られている店が違う。ワインやウィスキーなど、ビール以外の酒はダウンタウンも含めた街中にもたくさんあるリカーショップで買えるのだが、ビールはDistributorという店に行かないと買えない。これが街中にはあまりない。おそらくケース単位でしか買えないためではないかと思う。というのも、州法でビールはケース単位でしか売ってはいけないと決められている(らしい)のだ。いきおい、Distributorは大きなStockが必要になる。
どうしてもビールを少量で買いたかったらどうするか。割高になるが、ピザ屋で買うという手がある。ピザ屋は小さなファーストフード店のようなものだが、冷蔵ケースにビールを置いていて、6本単位で買える。ピザじゃなくてビールが目当てで来る客も結構いる。私も車を買う前はピザ屋でビールを買ったが、6本で$7〜$9くらい。日本の感覚では決して高くはないが、いったんDistributorで買うとピザ屋には行かなくなる。

さてそのDistributiorでのビールの値段。一般的な12fl oz(約355ml)のビール1ケースが大体$10〜$20くらい。安いものになると$7なんてのもある。$7といったら1缶いくらかというと、約35円! 5本飲んでも日本のビール1缶分である。ただしこれはアメリカで生産されているビールの場合の話で、importedになると話は別。初めてDistributorに行ったとき、何でも安いのでCHIMAYを探して激安で飲もう! と思ったがその野望はもろくも崩れ去った。ちなみにCHIMAYは1ケース$80〜$100くらい。ちなみにキリンやサッポロも売られていることはいるが、やはりimportedということで$35くらい。なお、Distributorはビール専門店という性格のせいか、置いているビールの酒類は非常に多い。もともと日本のようにキリン、サッポロ、アサヒ、サントリーの寡占などといことはなく小さなメーカーがたくさんあるせいであろう。また、輸入ビールも非常にいろいろ取り扱っている。ただ、どれもケース買いになってしまうのでちょっとだけ飲みたい、ができない。

では私がいったいどのくらいの値段のビールを買っているかというと、$10前後。この程度の値段でかなり選択肢が広い。実は、BudweizerやMillerといった有名ブランドはこの値段では買えない。私が買うのは「よく知らない」ブランドのビールである。失敗したとしても、まぁケースで$10程度なら許せる。日本のビールに慣らされている私だが、少なくとも今までまずくて飲めないと思ったことはない。
前述のように、Distributorは市街地にはあまりないので、まとめ買いをすることになる。まとめ買いしたビールはフェイスアップしてすべて冷蔵庫に並べる。すると、庶民の夢「冷蔵庫を開けたらビールで一杯!」が実現できる。たった$20で。

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